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第3回「国学研究会」 
公開日: 2005/9/22
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第3回「国学研究会」報告

1 開催目的

 国学において、その研究対象および内容についての議論が重要であるが、さらにそれをどのようにして「発信」するのかという点に関しても、国学を総合的に捉えるために、議論を深める必要性が高まっている。発表者の吉田麻子氏は、気吹舎(平田篤胤・銕胤)における出版活動に早くから注目し、論文「気吹舎の著述出版―新出『気吹舎日記』を中心に―」(『近世文藝』75号)・「気吹舎における出版と費用」(『東洋文化』90号)等を発表し、着実な成果をあげている。最近では宮地正人氏の平田国学研究プロジェクトにも参加し、一次史料に基づいた綿密かつ詳細な研究を進めている。一方、松本は気吹舎の出版に関しては、蔵板目録の検討を進め、論文「「気吹舎蔵版」版行に関する基礎的研究」(『神道古典研究所紀要』第9輯)を発表し、平田派の出版活動に注目している。今回は、平田派を中心とした出版活動の実態についての最新の研究成果を発表するとともに、それに基づいて研究者間の意見交換を行い、国学における情報発信のあり方を考察することを目的とした。

2 開催日
 平成16年8月4日(水) 14:00〜17:30

3 開催場所
 國學院大學渋谷キャンパス 常磐松2号館3階大会議室

4 発表者・発表題目・司会
 吉田麻子(相模女子大学講師 発題者)
          題目「気吹舎刊行書籍とその販売について」
 松本久史(國學院大學日本文化研究所助手 発題者)
          題目「平田派国学者の出版目録について」
 遠藤 潤(國學院大學日本文化研究所助手 司会)

5 研究会の詳細

5−1 発表概要
 吉田氏は気吹舎の出版システムを彫刻・印刷・販売の各プロセスについて気吹舎の日記に基づいて検証し、篤胤の時代における出版活動の具体像を明示した。さらに、没後においても銕胤によって出版活動が受け継がれていき、さらに活発化することにも言及した。特に平田学の地方への浸透に伴い、地域ごとの有力門人が気吹舎蔵板の普及に果たした役割が大きかったことも示された。従来、平田派研究に用いることのできなかった『気吹舎日記』の詳細な出版活動の記録の分析によって、平田篤胤の思想・実践について新たな知見を得ることができた。
 松本は、国学者の出版活動に注目する意義について、近世社会における知識伝達の方法のなかでの出版という発信側と、読者という学説の受容者の関係を明らかにするためと説明した。吉田氏の発表による気吹舎蔵版の出版活動をうけて、平田没後門人井上頼囶の「神習舎蔵版書目」について考察を加えた。そこでは同じく平田門の権田直助・佐藤信淵・堀秀成・久保季茲の関係著述が数多く出版されており、頼囶の出版活動は幕末維新期において気吹舎の活動を側面から補っていたのではないかと論じた。課題としては、明治初期平田派国学者の出版活動の全体性の把握、同時代の平田派出版物の販売に関係した京都の池村久兵衛や東京の吉岡十次郎などの検討の必要性を提示した。

5−2 発表の成果と課題
 以上2名の発表を踏まえて、幕末・維新期の国学受容の実体の把握に、出版は欠かせない要因であることが確認された。また、従来の国学研究がそれらをあまり考慮せず、時代・地域を無視した、いわば現代からの予断による誤解に陥っているのではという点も議論された。そして、一次史料を中心とした国学者の学問・実践活動の解明が、国学を「再理解」するためにも欠かせない課題であることが明らかになった。

文責:松本久史(國學院大學日本文化研究所助手)

 
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