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ホーム >> COEプログラム事業の遂行と成果について >> b. 研究会 >> グループ2「神道・日本文化の形成と発展の研究」
第6回「神道・日本文化と外来宗教思想研究会」 
公開日: 2006/3/9
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1.目的:
 本研究会は、神道と日本文化の形成・発展を考究するうえで、各宗教思想の研究者を招いて外来の思想・宗教を学ぶことを目的としており、今回は坂出祥伸氏(関西大学名誉教授)を招き、道教の護符についての発表を願った。
 具体的には、 中国における道教的「呪符」、仏教的「呪符」の歴史や、台湾や東南アジアなどで今日使用されている「呪符」について検討を加え、また、それら大陸における「呪符」の有り様をふまえながら日本における仏教系・神道系の「護符」についても議論を行うことを目的に開催された。

2.開催日時: 平成17(2005)年12月16日(金) 14:00〜17:00

3.会場:國學院大學院友会館3階 大会議室

4.発表者等(※敬称略):
  研究発表者
   坂出 祥伸(関西大学名誉教授)
  コメンテーター
   千々和 到(拠点副リーダー)
  司会
   浅野 春二(事業推進担当者)
  コーディネーター
   新井 大祐(COE研究員)
      ※当日出席者数、22名。

5.研究会の詳細:
5−1 発表概要
 
 「中国の「呪符」(符呪)など」
 
 まず坂出氏より、これまで氏が蒐集された中国や台湾、東南アジアにおける道教や民間信仰の「呪符」、ヨーロッパにおける「お守り(お札)」、および日本において寺社が発行している「お札」や沖縄などで信仰されている「フーフダ」等について、数多くのスライドを使用しながら解説があった。
 とくに、日本との影響関係の考察や比較研究を行ううえで重要な、大陸の道教、およびわが国における呪符の歴史的展開やその種類、作成方法や使用例(現在の使用例や、古典籍、志怪小説などにみられる使われ方)、呪言(祈願文)の内容、およびディテール(買地文、解除文、「鬼」字や「勅」字、「三清点」(三つの「レ」点))に含まれた意味などについて重点的に詳しい説明がなされ、それをもとに、現在、日本の社寺において頒布されるお札と、中国の道教関係および民間信仰における符との類似性や相違点の問題に関する報告がなされた。
 
坂出祥伸氏
坂出祥伸氏
 

5−2 成果と課題
 坂出氏の発表を受けて、コメンテーターの千々和氏より、道教の呪符にみる「三清点」、日本における「護符」の歴史(『吾妻鏡』にみる「鎮宅之符」)、護符を朱で書くこと、梵字の使用などについてのコメントがあり、とくに以下の3点について質問がなされ、議論が展開された。

  ▽朝鮮半島の石碑に残された習俗(北関大捷碑(ほっかんだいしょうひ)にみる「歃血誓義」など)と、日中の呪符(お札)の使用法に関係が見出せるか。
  ▽韓国・成均館大学校博物館所蔵拓本の「買地券」は1行づつ天地が異なる形式だが、これは道教と関係があるのか。
  ▽新羅における「殺牛祭神」習俗の存在(平成17年12月4日開催、第2回総合シンポジウム「神道の形成発展−異文化・仏教との関わりを中心に−」国際研究会議「古代・中世の異文化間交流−固有信仰と外来宗教−」における徐永大氏報告、李成市氏コメントより)について、何かご教示いただけないか。
  
討議の様子
左より、浅野氏、坂出氏、千々和氏

 まず1つめの問題は、日本における神判の形式の一つである「盟神探湯」や中世の「湯起請」、あるいは「一味神水」といった誓約儀礼と、中国・朝鮮で行われていた「歃血誓義」という儀礼(血をすすり、義を誓う。「歃血誓盟」とも称す)との関係、あるいは、そこからさらに、前記「一味神水」において「起請文」を焼いた灰を水に混ぜて飲むという所作が、道教の呪符の使用法とどのような関連性を持つのかということである。これに対し、坂出氏より、道教においても呪符を飲むというような風習はあるが、そこにはさらに、薬としての「呪符」や「水」など各構成要素の呪的意味を考える必要性があることが指摘された。
 また、2つめの「買地券」については、このような形式のものは中・韓で5例しか見られず、その意義も深く解明されていない。坂出氏は、これは2者間で取り交わされる公文書的な意味を持つ呪符であるため、交互に読めるような形になっているのではとの理解を提示した。
 さらに3つめの「殺牛祭神」について、千々和氏から、このような儀礼などを材料に、本学における日本文化と外来思想との調査・研究において、今一度、北からのルート、南からのルートという2つの文化流入の道を見直すべきではないかとの指摘がなされた。
 また、会場より、「後漢頃の呪符に〈解除文〉との語句が見えるが、神道において祓を〈解除〉と記す例がある点から、その呪符に言う〈解除〉とはどのような意味があるのか」、「大陸における道教の呪符の頒布法はどうなっているのか」ほか多数の意見や質問が寄せられ、活発な議論が展開された。
 以上の発表や討議により、呪符などの具体的なアイテムに視点を据え、そのディテールや使用方法などを通して日本と大陸の比較を行うことが、神道や日本文化と外来の宗教・思想の影響関係に関する調査・研究を進める上で重要であり、また、有力な研究手法であることが理解された。


文責: 新井大祐(COE研究員)
 
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