神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成 Kokugakuin University
 サイト内の検索

高度な検索
 メニュー
  • ホーム

  •     ・COEプログラムのご案内
        ・最新のお知らせ
        ・最近の刊行物
    
      ・神道・神社史料集成
        (神社資料データベース)

      ・国学関連人物データベース
ホーム >> COEプログラム事業の遂行と成果について >> a. 調査 >> グループ2「神道・日本文化の形成と発展の研究」
近世・近代における官国幣社関係史料調査 
公開日: 2006/11/1
閲覧数: 2970 回
Size 4681 bytes
印刷用ページ
 
1.調査目的
 本事業のテーマ「神道・日本文化の国学的研究」の一環として、神社制度についての実証的且つ文献学的な研究を遂行する上で、これまで京都府の旧官国幣社を中心として、社領関係、社家組織、神仏分離、祭神・由緒等に関する史料の検討と蒐集を行ってきた。
これを受けて、今回は、賀茂別雷神社(上賀茂神社)を中心とする神社関係史料、及び神社関係文書目録の調査・蒐集を行った。また、「国学者データベース」の作業の一環として、国学者の碑文データを蒐集するため、京都市内の各墓所にて撮影作業を実施した。

2.調査日
  平成18年9月16日〜平成18年9月19日(4日間)3泊4日

3.出張先
 (1)京都府立総合資料館(京都府京都市左京区下鴨半木町1-4)
 (2)京都市歴史資料館(京都府京都市上京区寺町通荒神口下る松蔭町138-1)
 (3)霊明神社(京都市東山区清閑寺霊山町25)
 (4)黄台山長楽寺(京都市東山区丸山町626)ほか、京都市内の墓地

4.調査実施者
 星野光樹(21世紀研究教育計画ポスドク研究員・事業推進協力者)
 宮本誉士(COE研究員)
 中村 聡(日本学術振興会特別研究員)
 小林威朗(大学院文学研究科神道学専攻博士課程前期)
 上西 亘(大学院文学研究科神道学専攻博士課程前期)

5.調査の概要
(1)京都府立総合資料館
 当館が所蔵する古文書のうち、近世・近代の社家や伝奏家の記録として、上賀茂社文書・柳原家文書・鴨脚家文書(乙)・霊明神社の史料に関する調査を行い、このうち、上賀茂神社所収「置文類集並供僧中掟之写」、「社司等詐状之写」、「万度御祓次第写」、「祝詞草稿」、「賀茂神主勤役記」、「宝暦四年御神事参役記 清足」、柳原家文書所収「出雲大社執奏記」(4冊)について内容の検討を行った。その他、当館所蔵の神社関係史料の全体を把握するため、文書目録である『京都府立総合資料館所蔵文書解題』(27枚)の電子複写を行った。
(2)京都市歴史資料館
 上賀茂神社関係の史料としては、梅辻家文書所収「賀茂社諸神事雑事次第」(86丁)および、岩佐家文書所収「貴布禰神人共横入共江無体之事共申掛ケ候ニ付申渡之一件扣」(21丁)を蒐集した。また、岩佐家文書は、中世から近代までの当社に関する史料が5000点ほどあるが、このうち近世・近代の資料の目録(224枚分)について複写作業を行った。また、大原野・松尾に関する史料についても、目録の電子複写を行った。
(3)霊明神社
 霊明神社の所蔵史料について、現地調査を行い、当社の神主である村上繁樹氏より由緒に関するご説明を頂いた。また、所蔵史料について、今後の調査に関する話し合いを行った。この他、霊明神社が管理する墓所について、調査の協力を得ることができた。
(4)国学者墓碑調査
 国学者の碑文データ蒐集のため、以下の墓所において、デジタルカメラによる墓碑の撮影を実施した。
 _台山長楽寺(東山区丸山町)【頼山陽・頼三樹三郎】
 南禅寺天授庵(左京区南禅寺福地町)【渡忠秋】
 D彩寺(左京区仁王門通川端東入大菊町)【玉木正英(葦斎)】
 さ都霊山護国神社(東山区清閑寺霊山町)【伴林光平】
 ノ醋誠声卻菽蓮陛貉涯萓挟彁霊山町)【川喜多真彦・吉田玄蕃】

6.調査の成果と課題
 今回の調査では、総じて膨大な神社関係史料の把握に努め、そのなかで、祭祀や神職組織を中心に、近世期における神社の実態と展開に関する諸相を確認できた。
 上賀茂社に関しては、社入に関する史料や、神主の書状、日記など、岩佐家文書に大部収められていることを確認した。このうち、神事面では、大麻進上、祓や疱瘡神の祭に関するもの、遷宮の伝授や祈祷、諸神事に関わる祭式次第書など、当社における祈願内容や祭式の諸相に関する史料も多く、これらについては今後検討を行いたい。また、貴船社の訴訟に関するものもあり、今回の調査で得た関係史料の分析を含め、神職組織の実態についても今後の調査が必要と思われる。
 それ以外の神社については、柳原文書所収「出雲大社執奏記」があり、近世後期の出雲大社の国造名代の新年慶賀の記録や禁中御礼献上記録等が数年ごとに記されている。なかでも安政2年の執奏記録は1冊200丁余りに及び、当時の出雲大社の祈願状況などを知る上で重要である。また、目録の調査から、松尾神社文書および山田家文書には、近世期の松尾神社に関する神事の記録や、大原野神社文書には、近代の年中祭祀に関わる神祇官・神祇省の達状があることが分かり、これらについても近世・近代の祭祀の諸相と展開を考える上で重要な史料と思われる。
 霊明神社については、現在、京都市歴史資料館が当地において所蔵史料の撮影を行った分については、デジタル画像として提供していただくこととなっており、今後これまでの調査で蒐集したものも含め、それらの翻刻を行い、分析に努めたい。
 京都府内の官幣社にかぎっても、神社とその周辺をめぐる諸問題に対して、多くの検討材料が残されている。これまでの調査内容の分析を踏まえ、祭祀や社家組織、神仏関係における個別の事象に関する課題を明確化していくことが今後の課題である。
 最後に、霊明神社での調査に際して、霊明神社八代神主である村上繁樹氏はじめ神社関係者の方々には大変お世話になった。ここに心より御礼申し上げる。


文責:星野光樹(21世紀研究教育計画ポスドク研究員・事業推進協力者)
 
このセクションの目次に戻る | 総目次に戻る
このページに対するお問い合せ先: 研究開発推進機構事務課

國學院大學研究開発推進機構 〒150-8440 東京都渋谷区東4-10-28
TEL 03-5466-0162
Copyright © 2002-2004 Kokugakuin University. All rights reserved.