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ホーム >> COEプログラム事業の遂行と成果について >> a. 調査 >> グループ1「基層文化としての神道・日本文化の研究」
青森県下北・南部地方の巫者・巫俗の調査 
公開日: 2006/11/30
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1.調査名 グループ機ヾ霑慂顕修箸靴討凌斉察ζ本文化の研究
青森県下北・南部地方の巫者・巫俗の調査

2.調査地 青森県むつ市・大畑町・佐井村・三沢市・八戸市・三戸郡名川町

3.期 間 平成18年5月1日〜平成18年5月4日(4日間)3泊4日

4.調査者 豊島秀範(事業推進担当者)、舟木勇治(COE奨励研究員)、山本真理子(本学大学院博士課程後期)

5.調査目的
 「日本における神観念の形成とその比較文化論的研究」のもとで、平成17年に引き続き、巫者・巫俗に関する実態調査を青森県で行った。青森県は、現在もなお活発な巫者の活動が見られる地域であり、神観念を研究するために重要となる巫者・巫俗などいわゆるシャーマニズムを実態的に明らかにすることができる地域である。
 今回は、前回(平成17年11月25日〜28日)の津軽地方に続いて、下北地方と南部地方について調査を行った。

6.調査概要
 調査の方法は、巫者に直接に面会して入巫の経緯と現在の活動状況、ならびに巫者の神観念についての聞き取り調査と、カミサマ・イタコに関わる霊地・寺院の現況調査を行った。さらには、カミサマによる占いや、イタコの口寄せを調査者が実際に体験する形での調査も取り入れた。以下、調査の概要を示す。

 1日目は、下北地方のむつ市において、男性のイタコから、巫者になった経緯や現況、および口寄せの実態について聞き取り調査をした。さらに、そのイタコが昭和31年から記録し続けてきた、恐山に関わるイタコの実際についての記録書の閲覧がきた。

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むつ市のイタコ(男性:写真左)と豊島秀範(写真右)

 2日目は、下北の霊場である恐山で、地蔵堂境内の調査、および地蔵堂に常住しているイタコについて確認した。
続いて、浄土宗の寺である優婆寺(下北、むつ市大畑町)を訪ねて、住職より、寺と恐山との関係などについて聞き取りを行った。恐山の宇曽利湖から流れ出る川が優婆寺の所まで流れ下り、ここで太平洋に注いでいることから、以前は、この寺を訪れた後に恐山に向かう者が多かったという。
 その後、佐井村の神道萬谷神占い神所にて占い師に会い、占い師となった経緯・現況、および占いの実態について調査した。ここでは、実際に調査者3名の健康その他を占ってもらうという体験調査も実施した。


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恐山地蔵堂


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下北郡佐井村の神道萬谷神占い神所

 3日目からは南部地方の八戸市白浜在住の女性のカミサマから、入巫経緯や現況についての聞き取り調査を行った。ここでは、従来は行うことのなかったカミサマによる仏おろし(口寄せ)を実際に行ってもらい、貴重な資料を得ることができた。
 続いて、南郷町で、女性のイタコから入巫経緯や現況についての調査を行った。また、イタコによる仏おろしも実際に行ってもらった。
 さらに、三戸郡名川町の法光寺の住職から、寺とイタコとの関わりについての教示を受けるとともに、イタコマチを長年継続していた中心的存在のイタコ(南部、三戸郡名川町剣吉 在住)を紹介してもらい、直接にその自宅を訪ねて話を聞くことができた。そして、入巫経緯と現況、およびイタコの修行内容やイタコマチについての話を聞くことができた。

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八戸市南郷町のイタコ(女性)


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八戸市白浜のカミサマ(女性)

 4日目は、八戸市内に移り、現在のイタコの中では最も若い34歳で晴眼者のイタコ(八戸市 在住)から、入巫経緯やその後の状況についても話を聞き、実際に調査者の一人が仏降ろし(口寄せ)を行ってもらう体験調査も行った。

7.調査の成果と今後の課題
 今回の調査では、下北・南部地方におけるカミサマとイタコ、および聖地・寺院などについての現状を調査し、聞き取り資料や画像資料を得ることができた。昨年の津軽地方の調査と合わせて、青森県における巫者・巫俗について、ほぼ全体を見渡すことができるようになった。その結果、カミサマ・イタコに関して、現在までの歴史的な実態を確認するとともに、特にイタコを中心に、現在その状況が大きく変化しつつあることが判明した。
 以上のように、イタコやカミサマのような巫者の存在を今日に伝えている青森県は、日本本島において巫者・巫俗が色濃く残っている、数少ない地域の一つであり、本グループで行っている神観念研究においては欠くことのできない重要な研究対象である。今後、イタコやカミサマの習俗と、沖縄のユタ、さらに中国の少数民族に見られる巫者とを比較検討することで、東アジアにおける巫者習俗を明らかにしていく。

文責:豊島秀範
 
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