神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成 Kokugakuin University
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ホーム >> COEプログラム事業の遂行と成果について >> c. 国際会議・シンポジウム >> グループ3「神道・日本文化の情報発信と現状の研究」
神道・日本文化研究国際シンポジウム(第1回)「各国における神道研究の現状と課題」 
公開日: 2003/6/25
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国際シンポジウム

グループ3では研究テーマである「神道・日本文化の情報発信と現状の研究」と関連させ、14年度に以下のシンポジウムを開催した。

第1回 神道・日本文化研究国際シンポジウム
テーマ「各国における神道研究の現状と課題」
日時:平成15年3月16日10時〜17時半

日程
10:00 シンポジウム開会
10:10-11:00 第1セッション(発題者:Bernhard Scheid・オーストリア)
11:00-11:50 第2セッション(発題者:Jan van Bremen・オランダ)
<昼休み>
13:10-14:00 第3セッション(発題者:François Macé・フランス)
14:00-14:50 第4セッション(発題者:Helen Hardacre・USA)
<休憩>
15:10-16:00 第5セッション(発題者:李元範・韓国)
16:10-17:30 総括討論
17:30 閉会

発題者(発題順):
Bernhard Scheid(オーストリア、オーストリア科学アカデミー教授)
Jan van Bremen(オランダ、ライデン大学教授)
François Macé(フランス、国立東洋言語文化研究所教授)
Helen Hardacre(USA、ハーバード大学教授)
李元範 Lee Wonbum(韓国、東西大学校教授)
コメンテータ:
林淳(愛知学院大学教授)
司会:
井上順孝(國學院大学教授)

場所:國學院大學百周年記念館3階 視聴覚教室
*使用言語 日本語
参加者:神道研究者、宗教研究者等約100名

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シンポジウムの内容報告
平成一五年三月一六日(日)に、國學院大學百周年記念館・視聴覚教室において、国際シンポジウム「各国における神道研究の現状と課題」が開催された。これは文部科学省の21世紀COE(Center of Excellence中核的拠点)形成プログラムとして採択された「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」の一環として行われたものである。
今回のシンポジウムは、「神道・日本文化国際シンポジウム(第一回)」と位置付けられたもので、COEプログラムの実施中、この趣旨に基づいた国際シンポジウムが毎年少なくとも一回は行われる予定である。
また、このシンポジウムは、やはりCOEプログラムの一環として平成十四年度に着手された国学院大学日本文化研究所編『神道事典』の英訳プログラムと密接な関係をもっている。神道事典の英訳はこの事典の刊行当時から企画されていたものであるが、経費、スタッフ、その他の面での制約によって、なかなか本格化できずにいた。しかし、今回のプログラム採択により、短期間での実現を目指して動き出すことができた。
事典の英訳には英語圏を中心とする国外の神道研究者との連携が非常に重要な意味をもつ。以前から協力の意志を表明していたカリフォルニア大学バークレー校やハーバード大学ライシャワー研究所のスタッフとの連絡を、さらに密にすることとなった。また専用のサーバーを設けるなどハード面での充実もはかって、綿密な計画が立案された。
そうしたひろがりを背景にもっての今回のシンポジウムである。そこで、シンポジウムが目指しているものと、第一回の会議の概要とを簡単に紹介させていただくことにする。
* * *
 外国人からみたときの日本の宗教といえば、仏教と神道が代表的である。近代以降は新宗教やキリスト教も社会的影響を強めたが、長い歴史的スパンのなかで、日本の宗教を研究するとなると、やはり仏教と神道が主たる対象となる。しかし、日本仏教の外国人研究者の数に比べて、神道研究を行っている外国人研究者の数はぐっと少なくなる。国内においても、それは同様であるから、当然の結果なのであるが、はたして神道研究は今後国際的にどのような方向へと進むのであろうか。その際、日本の神道研究は何を課題として担うことになるであろうか。
このようなことを検討していく上では、まず各国の神道研究の現状を確認することが大きな意味をもつであろう。すでに刊行されている研究文献の内容だけでなく、その背後にある研究状況を確認することが、今後の神道研究にとっても大きな意味をもつ。そのような意図のもとに第一回のテーマが設定された。
神道の研究者は欧米に多いが、近年はオーストラリアや中国、韓国などにも増え始めている。どの地域から研究者を招待するかも重要な意味をもつが、このシンポジウムが今後継続して行われるものであることを念頭においたうえで、今回は次の五人を招聘した。
Jan van Bremen 氏(オランダ、ライデン大学)
Hardacre, Helen氏(USA、ハーバード大学)
Macé François氏(フランス、国立東洋語文化研究所)
李元範(Lee, Wonbon)氏(韓国、東西大学校)
Scheid, Bernhard氏(オーストリア、オーストリア科学アカデミー)
いずれも神道、日本文化研究において世界的に著名な研究者であり、かつ日本語も堪能である。(会議はすべて日本語で行われた。)
ブレーメン氏は日本学がさかんなライデン大学の人類学者で、最近は靖国問題などに関心を寄せている。ハーディカ氏は日本の近代宗教の専門家で、黒住教や国家神道に関する著作などがある。マセ氏は日本神話の研究者として名高い。李元範氏は近代日本宗教の研究により日本で学位をとっており、とくに天理教の研究に詳しい。シャイト氏は吉田神道の研究者として名高く、最近その成果を著書として刊行している。
また、コメンテータには、愛知学院大学の林淳氏を依頼した。同氏は日本仏教や陰陽道などに関する研究を続けており、神仏関係に関心を抱いている。なお、司会は私が担当した。
* * *
シンポジウムは全体を五つのセッションに分け、最後に総括討論を行うという構成にした。各セッションでは、各国の研究状況と、それぞれのパネリストが専門分野とする領域での問題点等について発表してもらった。そしてそれぞれの発表に対する質疑応答を行った。最後の総括討論では、林氏に各セッションを貫くテーマ、さらに今後に展開すべきテーマ等について問題提起してもらい、全体的な討議を行った。
会場には二十名ほどの外国人研究者を含めて、百名近い研究者が参加した。各セッション、及び総括討論には多くの質問が寄せられ、議論はしだいに白熱していった。総括討論において交わされた議論のなかで、もっとも興味深かったテーマの一つは、果たして国外では「神道研究」という領域が成立しているのかという点である。この議論には多くの関心があつまった。
確かに日本神話を研究する人、万葉集を研究する人、伊勢神道を研究する人、神道系教団を研究する人、そういった意味で神道を研究している人なら各国にいる。しかし、そうした人が神道研究者というアイデンティティをもっているかというと、必ずしもそうではない。むしろ日本文化の研究の一環として、神道のある側面に触れるという意識が支配的な場合が多いという。
また、日本宗教の専門家は、大学の講義等においては、しばしば「日本神話からオウム真理教まで」を扱うことを期待される状況に直面するという。そうした研究教育の環境のなかで、「神道研究」を一つの領域として確立させていくのは、きわめて困難な状況にあることが指摘された。
しかし、この点はたんに国外における問題にとどまらない。神道研究とはいったいどのような領域を形成するのか。すでに自明化しているようにも思える研究領域にこうした形で問いかけがなされたとき、日本人研究者はどのような答えが出せるのか。今後につながる大きな課題と考えねばなるまい。
* * *
シンポジウムは一日のみであったが、その前日には以上の五人の外国人パネリストと、国内から招待した四人の研究者(皇學館大学の櫻井治男氏、九州大学の関一敏氏、天使大学の田島忠篤氏、関西学院大学の対馬路人氏)とが、シンポジウム実行委員を交えて、今後の神道研究にどのような課題があるのかについて、熱心な議論を交わした。ここでは、次回のシンポジウムにおいては、並行して実施されている『神道事典』英訳に関して生じている問題をテーマとして取り上げてはどうかという意見が、複数の外国人研究者から提起された。
さらにシンポジウムの翌日には、外国人招聘者とシンポジウムの実行委員会メンバーが合同で東京都内の宗教施設等の調査を行い、意見を交換した。具体的な事例を前にしての議論はきわめて有意義であり、このような企画をより広範に行う必要性も参加者から提起された。シンポジウムの報告書は、前日の会議の成果を含め、平成十五年夏に刊行されることになっている。
なお、第一回のシンポジウムの実行委員は次のとおりである。
神道文化学部教授
 井上 順孝(実行委員長)
神道文化学部講師
 Norman Havens
日本文化研究所兼任講師
 矢野 秀武
日本文化研究所調査員
 Levi McLaughlin
日本文化研究所調査員
 日平 勝也
日本文化研究所共同研究員
 稲場 圭信
(文責:井上順孝)

*平成15年度も第2回国際シンポジウムを開催する予定です。

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リンク:『神道・日本文化研究国際シンポジウム(第1回) 各国における神道研究の現状と課題』の刊行

リンク:Encyclopedia of Shinto
 
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