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第1回「COEフォーラム」 
公開日: 2004/1/14
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第1回 COEフォーラム報告

日時:平成15年3月19日
   10:00〜12:00 伊東俊太郎「日本思想を貫くもの」
   12:00〜13:30 昼食・休憩
   13:30〜15:30 高瀬淨「生活世界から見た<水>の意味について」
   15:30〜17:30 上田篤「鎮守の森を考える」
場所:國學院大學 常磐松2号館 第2会議室
講師:伊東俊太郎(東京大学名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授)
   高瀬淨(高崎経済大学名誉教授・秀明大学特任教授)
   上田篤(京都精華大学名誉教授・NPO法人社叢学会副理事長)


開催趣旨<文化は複合体である>
 このフォーラムは、「神道・日本文化の国学的研究」の推進に当って、とくに
事業推進担当者の専門と分野を異にする、注目すべき学外研究者の成果を
積極的に視野に入れながら、よりグローバルな研究の将来展望を探ることを
目的とするものである。
(文責:コーディネーター・小林達雄)


報告趣旨
^謀貊啾析
 「日本思想を貫くもの」
 とかく指摘される日本思想に対する非一貫性という批判に対し、それに反対する立場から、独創的で、かつ自らの土壌の上に思索をかさねた4人を取り上げて、日本思想の特質を探った。具体的には、江戸時代の思想家安藤昌益、三浦梅園、明治の哲学者西田幾多郎、そして物理学者の湯川秀樹らを取り上げ、そこに通じる特質として“鷦詑寮・過程性、∩蠍濱、自己生成性の3つをあげた。
 各特質の内容を見ると、“鷦詑寮・過程性とは、絶対的・普遍的で、他と関係なく普遍的に存在するような「実体」の存在を認めず、過程を成立させるリレーションを重視する。またそこには、関係の一時性という性格が存在するということである。△料蠍濱とは、,抜慙△靴董■舛硲造他を不可欠な存在として存在しており、それが具体的な場を基礎にしているということである。の自己生成性とは、絶対的な他者によって創造されたものではなく、内在的力によって自己生成するという特質を指す。
 次に、これらの特質を持つ日本思想の現代思想における意味を考察。現在、西洋哲学では主観主義と客観主義の対立が抜き差しならないところにきており、実はこの対立の止揚をできるのが日本思想であること。そして今こそ、日本思想の世界思想への位置づけ、参加が求められていることなどを解説した。
 討論では、哲学・科学・医学など現代諸科学における問題が取り上げられ、特にクローンなど、現代先端医療に関する討議が活発に行われた。また討論を通して、日本思想がこれらの問題を含めた現代諸問題に対して、有効な解決を導く可能性が確認された。

高瀬淨
 「生活世界から見た<水>の意味について」
 専門の経済学の立場から、日本が近代以降追い求めてきた経済成長がもはや頭打ちであり、現代という時代が、これまでの量的な成長から、質的な成熟への価値転換を求められた転換の時代であることを指摘。さらに、近代の科学とその根底にある哲学が根源的にもつ陥穽である機械的・二元論的な見方や文明の自然からの乖離を批判したうえで、人間のための科学の必要、思想や歴史、生態学などの諸科学を統合した、広い経済学の必要を提唱する。
 そして、生活の質的な成熟の基幹となる水の問題を取り上げ、地球規模のマクロな視点と、個人的体験というミクロな視点を織り交ぜながら、人類が本格的に水資源の汚染や欠乏という問題に直面してきている点を指摘し、それへの対応として、人間を含めた生態学的な水循環、自然とのかかわり方を構築する必要性が急務であることを説いた。
 討論では、水を介する神の問題、近代以降の日本の教育の問題など、多岐にわたって議論が行われ、特に現代の水資源問題が大変切迫したものである点が再確認された。

上田篤
 「鎮守の森を考える」
 全国の鎮守の森や神社をめぐった経験から、鎮守の森を媒介に日本の神について考察した。まず、鎮守の森を有する神社の構造を分析。鎮守の森がランドマークであり、また山と森の水資源を育てる働きを解説して、神社の中核を森・水・山におく。次に、おもに漁民などが海から山・森を見る視点を導入して、相互の関連から、日本の神のあり方を、それぞれの地点から遙拝する連関性のなかで捉えなおした。さらに、各地に残る国土開発神話や祭りから、農業と神社・鎮守の森との深いつながりを考察。日本人が持ち続けてきた山・水・森=神と人との、生活に即した豊かな関係を明らかにした。最後に、現代的な問題として、鎮守の森や山の荒廃がもたらす水への危機を指摘し、地下水に関する研究の必要性を提唱した。
 討論では、考古学・神道学からそれぞれの研究に即した事例紹介や意見が出され、神社の構造に関しては、そのあり方の多様性への留意が求められた。また、神社の起源の問題、仏教との関連、木や船の問題や神のあり方の変化といった幅広い討論が行われた。
(文責:太田直之 COE研究員)


 
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